先日、菅官房長官の携帯料金「4割下げろ」発言で、携帯株が軒並み値下がりしました。
値下げの理由は、『携帯会社は儲かってるから、利用料金を下げることで、消費者に還元しろ』ということです。
この携帯電話の料金があまりにも不透明で、そして他の国と比較すると、高すぎるのではないか。
事業で過度な利益を上げるものではなく、利益を利用者に還元しながら広げていくものだ。
携帯料金、「4割下げ余地」 官房長官 (写真=共同) :日本経済新聞
この発言を聞いた時に、一人の投資家として、ぞっとしました。要するに携帯会社は儲け(過ぎ)てはいけないという事です。利益を上げる度に、国からの圧力がかかるのであれば、今後も同じようなことが起きます。これでは、今後5~10倍と株価は成長しないのでは?と疑問に思いました。
そこで今回は、携帯電話株(KDDI<9433>、NTTドコモ<9437>、ソフトバンク<9984>)について調べてみました。
※ちなみに、携帯電話事業に参入しようとしている楽天<4755>も参考までに入れました(^-^;
株価チャート
各社とも2013年頃から、株価が上昇し始めています。2013年は、初めてスマホの出荷台数がガラケーを上回ったり、NECやパナソニックが携帯電話事業から撤退した年です。ここからi-phone、Androidなどのスマホの普及が始まりました。




その後、2015~2016年くらいで株価の上昇が鈍化します。それ以降は、株価がそれほど変動していません。ソフトバンクは値幅が大きいですが(^-^;
このチャートを見ると、しばらく株価の大きな変動はなさそうに思えます。
業績
各社の業績ハイライトです。4社とも順調に売上高は伸びています。ただ営業利益は、やや鈍化しています。
①KDDI<9433>
②NTTドコモ<9437>
③ソフトバンク<9984>
④楽天<4755>


PER・PBR
各社のPERとPBRを見てみます。(2018/08/24時点)
PER12~15倍、PBR1.5~2.0程度と、非常に良い値です。
特に楽天は、PER11.8、BPR約1.5倍と非常に割安です。
配当・株主優待
2017年の配当金額(利回り)と株主優待です。
配当の利回りは、NTTドコモとKDDIが3.0%を超えていて、非常に良いです。
株主優待は、NTTドコモだけなしです。
ソフトバンクと楽天は、自社サービス利用者しか使えない優待です。
一方、KDDIは商品カタログギフトから選択できます。AUユーザ以外も申し込めるので、非常にお得です。
どの株が買いか?
4つの観点(チャート、業績、PER・PBR、配当・株主優待)から、各社を比較しました。それを踏まえて、今後のポイントとオススメ銘柄を紹介します。
まず各社に共通して言える重要なポイントは
『携帯電話以外の新しい事業で収益を得られるか』
です。現状、各社「一般消費者向けの携帯電話事業」が一番の稼ぎ頭です。そのため、今回の菅官房長官の発言のように、たびたび国からの抑圧を受け、どこかで売上は頭打ち・鈍化してしまいます。
これを打開するためには、それ以外の新しい稼ぎ頭、ブレイクスルーが必要です。2013年にスマホが普及し、各社の株価が高騰したのも新しいブレイクスルーが起きたからです。
まさに、今がそのタイミングだと思います。IoT・AIを用いた新しいサービス(スマートホーム、スマートファクトリ、RPAなど)が少しずつ立ち上がろうとしています。これをきっかけに、携帯事業会社は更に規模が大きくなり、会社が拡大すると予想されます。
これに正しく順応・追随した企業は「この数年以内に再度、株価が2~3倍になる」と予想します。
ただ数年は、我慢が必要です。そのため株価が割安になったタイミングで(追加)購入し、中長期投資(5~10年)を覚悟する必要があります。短期に10倍株は狙えない投資法です。
これは、中長期投資を目指す、兼業投資家・サラリーマン投資家にオススメの投資法かなと思います。日頃、頻繁に株価をチェックできない人は、ぜひ参考にして下さい。
さて4社の検体電話株で、タローがお勧めするのは、KDDIです。
IoT・AIを用いた新しいサービスいう観点だと、1位・ソフトバンク、2位・KDDI、3位・NTTドコモの順だと思います。ソフトバンクは孫社長のキャラと勢いがありますので、確実に成果をだしてきそうです。ただKDDIも地味なんですけど、計画性はあります。
次に、中長期投資という観点だと、配当・株主優待が非常に良いKDDIです。中長期投資で、じっくり資産を守って増やす上で、配当と株主優待は重要だと思います。
(今後、NTTドコモが株主優待を始めたり、ソフトバンクが配当を上げると面白くなりそうですが・・・)
今年の1月、楽天の携帯事業参入(楽天ショック)で、携帯電話株が下落しました。
この時、KDDIを割安(BPR1.6倍、PER10.5倍)で買うことができました。
チャートの形を見ても、今後も株価は乱高下するでしょう。株価が割安になった時は、チャンスです!!
ぜひ安値になったら、思い切って、KDDIを含めた携帯事業株を買ってい欲しいと思います。